空気式自動制御機器(中編)サーモスタット・ヒューミジスタット・調節器のしくみ
📘 この記事でわかること
- 正動作・逆動作のちがい
- サーモスタットの4つのタイプ
- ヒューミジスタット(湿度調節器)のしくみ
- 外気補償制御とは何か

中編では、壁についてる「サーモスタット」のしくみを中心に、空気式の調節器を解説するよ!
前編では「空気式制御の概要」「アクチュエータ」「ノズル・フラッパー機構」を解説しました
※前編を読んでいない方は、まず「空気式自動制御機器(前編)」をご覧ください
中編のテーマは「正動作・逆動作」「サーモスタット」「外気補償コントローラー」です
目次
正動作と逆動作 「温度が上がったらバルブをどう動かすか」
ノズル・フラッパー機構でわかったことを踏まえ、大事な設定の話をします
温度が上がったとき、バルブを「開ける」べきか「閉める」べきか
これは場合によって変わります
冷房に使う冷水バルブなら「温度が上がった→もっと冷水を流したい→バルブを開ける」
暖房に使う蒸気バルブなら「温度が上がった→蒸気を止めたい→バルブを閉める」
この「温度が上がったときにブランチ圧(出力の空気圧)をどう変えるか」による分類が正動作と逆動作です
| 動作の種類 | 温度が上がったとき | ブランチ圧は |
|---|---|---|
| 正動作(せいどうさ) | 出力圧力が増える | 上がる |
| 逆動作(ぎゃくどうさ) | 出力圧力が減る | 下がる |
バルブがN.O.(全開型)かN.C.(全閉型)かによって、正動作・逆動作のどちらを選ぶかが決まります
組み合わせを間違えると制御が逆方向に働いてしまうので、現場では必ず確認する大事な設定です
ルームサーモスタット 部屋の壁に付いている温度センサー
ホテルや会議室の壁に「温度調節パネル」が付いているのを見たことがありますか?
あれが「ルームサーモスタット」です
バイメタル(前編参照)が部屋の温度を感知し、その曲がり具合に応じた空気圧信号を出力しています
バイメタルが少し曲がれば小さな信号、大きく曲がれば大きな信号が出て、バルブやダンパーを動かします
サーモスタットの種類
サーモスタットにはいくつかの種類があります
①基本形
1つの温度設定で、正動作または逆動作のどちらかで動くシンプルなタイプです
②二温度設定形
夏と冬で「制御の目標温度」を自動で切り換えられるタイプです
外部からの空気圧信号を切り換えることで、「夏の冷房設定(例:26℃)」と「冬の暖房設定(例:22℃)」を自動で切り替えます
季節ごとに手動で設定値を変える手間が省けます
③動作切換形
夏と冬で「正動作・逆動作」を自動で切り換えられるタイプです
夏の冷房と冬の暖房では制御の方向が逆になるため、自動で対応できます
ヒューミディスタット 湿度を感知するセンサー
サーモスタットが温度を測るのに対し、湿度を測るのが「ヒューミディスタット」です
バイメタルの代わりに「ナイロン製の感湿エレメント」を使います
ナイロンは湿気(空気中の水分)が多いと少し伸び、少ないと縮む性質があります
雨の日に頭髪がうねる(くせ毛が出やすくなる)のと同じ原理です
このナイロンの伸び縮みをノズル・フラッパーに伝えることで、湿度の変化を空気圧信号に変換します
空気式コントローラー より賢い制御をするための機器
サーモスタットは「温度を感知して信号を出すだけ」の機器です
より高度な制御をしたい場合は、別体のコントローラーを組み合わせます
シングル入力コントローラー
1本のセンサー入力を受けて比例制御を行うスタンダードなタイプです
前面に「設定点(目標値)」「比例帯」「正逆動作の切換」などを調整するつまみがあります
「比例帯(ひれいたい)」とは「どれだけの温度変化でバルブを全開〜全閉まで動かすか」を決める幅のことです
例えば比例帯を5℃に設定すると、温度が5℃変わったときにバルブが全開から全閉まで動きます
比例帯を広くすると制御がゆっくり、狭くすると素早く動きます
デュアル入力コントローラー 外気補償制御(がいきほしょうせいぎょ)
センサーを2本つなげると「外気補償制御」ができます
「外気補償制御」とは、外の気温に合わせて制御の設定値を自動でズラす制御方法です
わかりやすい例で説明します
暖房に使う温水(温めた水)の温度を考えてみましょう
外が0℃の極寒の日→部屋をしっかり暖めるために、温水はかなり熱くする必要がある
外が15℃の春の陽気な日→少し暖めるだけでいいので、温水はぬるめで十分
外気温センサーを追加することで「外が寒い日ほど温水を熱く、暖かい日はぬるく」という制御が自動でできます
「外気補償(がいきほしょう)」の「補償」は「外の気温のせいでズレた分を埋め合わせる」という意味です
外気補償の効き具合は「オーソリティー(authority=権限・影響力)」という値で調整します
例えば「外気が1℃下がったとき、温水設定値を0.5℃上げる」という割合を決める設定です
まとめ(中編)
| 用語 | やさしい意味 |
|---|---|
| 正動作 | 温度が上がったとき出力圧力が増える動作 |
| 逆動作 | 温度が上がったとき出力圧力が減る動作 |
| サーモスタット | 室温をバイメタルで感知して空気圧信号を出すパネル型センサー |
| ヒューミディスタット | 湿度をナイロンで感知して空気圧信号を出すセンサー |
| 比例帯 | バルブを全開から全閉まで動かすのに必要な温度変化の幅 |
| 外気補償制御 | 外気温に応じて設定値を自動でズラして省エネ・快適性を両立する制御 |
後編では「空気式リレー」「バルブポジショナー」「空気源装置」について解説します

「外気補償制御」は省エネの代表格。覚えておこう! 後編では空気リレーで信号を処理するしくみを解説するよ!
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