【完全理解】第二種電気工事士のための電力|電気の仕事量を読み解こう

電気の基本用語としてよく聞く「電力(でんりょく)」
なんとなく「強さ」とか「使う量」のような感覚で理解していませんか?
電圧や電流と比べて、電力は“結果”のようなもので、具体的なイメージがつかみにくいのも事実です
この記事では、第二種電気工事士の学科試験で必須の電力について、感覚的に理解できるように丁寧に解説していきます
公式、単位、例題、よくあるミスまで、試験でも現場でも活きる内容を網羅します
また、日常生活でよく使われる家電を例に、電力の意味を実感できるよう工夫してみました
目次
電力とは?電気がした“仕事量”のこと
電力とは「電気がどれだけ仕事をしたか」を示す量です
水にたとえるなら、水が流れるだけでは意味がなく、「水車をどれだけ回したか」が重要となります
それが電気でいう「電力」です
つまり、電圧という押す力と、電流という流れる量があってこそ、電力=“働いた量”が決まります
言い換えれば、電力は電気エネルギーの活用度合いを表す指標です
電力を理解するとどう役立つ?
電力を理解すると
- 機器がどれだけ電気を使うかがわかる(消費電力)
- 配線の選定、ブレーカーの選び方に直結
- 電気料金にも関係するので、実生活にも役立つ
第二種電気工事士の試験では、電力の計算問題も頻出しています
特に「電力量」や「消費電力量(Wh、kWh)」の単位変換ミスが多いため、基本からおさえておくことが大切です
また、現場では「この回路で何ワットの機器まで使えるか?」を正しく判断できることが重要です
過負荷を防ぐためにも、電力の知識は安全と効率の両面で必須なのです
電力のイメージを言葉でつかもう
電力の単位「W(ワット)」は、電気が1秒間にどれだけの仕事をするかを表しています
たとえば
- 100Wの電球 → 1秒あたり100ジュールのエネルギー消費
- 1000Wのドライヤー → 強力で熱量が多い(短時間で髪を乾かせる)
家電の例で見ると
- 電気ポット:約700W〜1000W
- 電子レンジ:約800W〜1400W
- エアコン:約200W〜2000W(運転モードにより変化)
このように、電力の大きさは「電気のエネルギーの強さ・速さ」のようなもの
高電圧で電流が多ければ、大きな電力になる=多くのエネルギーを使う、というイメージです
電力の基本情報まとめ(単位・記号・公式)
項目 | 内容 |
---|---|
単位 | ワット(W) |
記号 | P |
基本公式 | P = V × I(電圧 × 電流) |
その他の公式 | P = I² × R / P = V² ÷ R |
単位換算 | 1kW = 1000W / 1kWh = 1000Wh(電力量) |
電力の公式と例題(計算練習)
- 例題① 電圧(V)が100V、電流(I)が2Aのとき電力(P)は何Wですか?
-
(電力 W)= (電圧 V)× (電流 A)
P = V × I
P = 100V × 2A = 200W
- 例題② 600Wの機器を2時間使った場合の電力量は何Whですか?
-
600W × 2h = 1200Wh = 1.2kWh
- 例題③ 電流(I)が3A、抵抗(R)が10Ωのとき電力(P)は何Wですか?
-
(電力 W)=(電流 A)×(電流 A)×(抵抗 R)
P = I² × R
3A × 3A × 10Ω = 90W
9A × 10Ω = 90W
- 例題④ 電圧(V)が100V、抵抗(R)が25Ωのとき電力(P)は何Wですか?
-
(電力 W)=(電圧 V)×(電圧 V)÷(抵抗 R)
P = V² ÷ R
100V × 100V ÷ 25Ω = 400W
10000V ÷ 25Ω = 400W
よくある間違いと補足解説
- WとWhを混同する
→ W(ワット)は瞬間的な電力、Wh(ワットアワー)は使った電力量 - kWとkWhの変換ミス
→ 単位換算は「1000倍」であることを忘れずに! - 単位換算ミス
→ 1kW = 1000W、1kWh = 1000Wh の換算を忘れると、数値が10倍〜1000倍ずれることもあるので注意しよう! - 公式の使い分けがあいまい
→ P = V × I 、 P = I²R 、 P = V²/R は条件で使い分けましょう - kWhを“電力”と思い込む
→ kWhは「使った量」、電力量であり、電力(W)とは別物
一問一答で理解チェック!
- 電力の単位は何ですか?
-
W (ワット)
- 電力の記号は何ですか?
-
P
- 電圧(V)が100V、電流(I)が3Aのとき電力(P)は何Wですか?
-
P=100V×3A=300W
- 1500Wの機器を1.5時間使うと何Whですか?
-
1500W × 1.5h = 2250Wh = 2.25kWh
- 電流(I)が4A、抵抗(R)が5Ωのとき電力(P)は何Wですか?
-
4A × 4A × 5Ω = 80W
4A² × 5Ω = 90W
- 電圧(V)が120V、抵抗(R)が60Ωのとき電力(P)は何Wですか?
-
120V × 120V ÷ 60Ω = 240W
14400V ÷ 60Ω = 240W
まとめ:電力の理解は電気の応用力を高める!
- 電力は「電気の仕事量」=エネルギーの使われ方
- 公式 P = V × I をマスターしよう
- 派生公式(P = I²R/V² ÷ R)も出題される可能性あり
- 単位変換やWh計算はよく出るので要注意
- 試験でも実務でも、電力の理解は不可欠!

電力って“どれだけ電気が働いたか”を表すことです!
公式さえ覚えておけば、あとはスイスイ計算できます
次は交流や回路の世界も一緒に進みましょう!
合格できるようにあなたを応援しています!